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季節の味
なにはなくとも冷麺
夏の暑さが日増しに強くなると、冷たい氷を浮かべた冷麺が食べたくなります。
食欲のないときでも不思議と入る、それが冷麺。
一昔前までは、寒い冬にオンドル(床暖房)の部屋で、外で冷たく冷えた冷麺を食べるものでしたが、現在の冷麺のイメージは、熱い体を冷ましてくれる、さわやか食です。
冷麺にはムルネンミョン(水冷麺)、ビビンネンミョン(混ぜ冷麺)、フェネンミョンと呼ばれる三つのタイプがあります。
ムルネンミョンは牛でとったスープの中に、 そば粉、小麦粉、ジャガイモを混ぜて作ったコシが強い麺を入れたもの。ゆで卵、牛肉、きゅうりなどがのっており、夏にぴったりの一品ですが、もともとは冬の暖かいオンドル部屋で食べるものです。
ビビンネンミョン(混ぜ冷麺)はムルネンミョンとは違くスープがありません。コシのある麺をコチュジャンの入りのたれと混ぜ、からめ合わせて食べます。これはとても辛いので日本人の口に合わない場合もありますが、以前よりは日本の方も結構韓国の辛い味になれてきたようなので一応試してもらいたいですね。
フェネンミョン(刺身冷麺)はビビンネンミョン(混ぜ冷麺)と同じスタイルですが、冷麺の中に刺身を入れます。
ちょっぴり辛い(いや、けっこう辛い)ビビンネンミョン、あっさりしたムルネンミョン、甘酸っぱい味のするフェネンミョンなど、お好みに合わせておためしください。
そば粉とでん粉を混ぜこねたサリ(麺)に冷やした肉水を注いで、ゆで卵やきゅうりなどを乗せてマスタードを少し、酢をパッパッとかけたら…もう箸を持つ手が踊りだしそうになります。
冷麺と酢は味覚的な調和や栄養、そして衛生上の三つを皆充足する食べ物なのです。酢は大事な調味料でありながら、疲労回復剤としての効能も持っています。でん粉や肉類を食べると代謝過程で乳酸が生成されますが、この乳酸がたまれば疲労が加重されるので、早く分解させてあげなくてはなりません。そして乳酸を処理するためには、酢などの有機酸を摂る必要があります。酢は素晴らしい疲労回復剤であり、消化吸収された栄養分をエネルギーに変えてくれる隠れた功労者なのです。最後に、酢は細菌の繁殖を押さえ、食中毒を防ぐという優れた殺菌力を持っています。
夏によく食べる冷麺に酢をかけるのは、こうしたことを体で感じ取っていた先祖の智恵かも知れませんね。
どうも食欲のないとき、氷の浮かんだ韓国の冷麺を思い浮かべてみましょう。
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